「源氏物語を読む会」報告

投稿日 2019年3月9日
2019年3月7日(木)     「源氏物語を読む会」 第34回報告
                       
 「じっくり、源氏物語を読みましょう」=この会の主旨通り、久保貴子講師はこの日「末摘花」の中核を読みほぐしていきました。とはいえ、むつかしい解釈続きでなく、時に笑わせ、時に古典の世界を深く教え、という講座です。
 光源氏が長いこと、求愛してきたのに常陸宮の姫君、末摘花は引っ込み思案。返事ひとつ出しません。とうとう源氏はしびれを切らし8月20日余りの夜、姫の屋敷へ向かいます。そこは荒れ果て、気の利いた女房は少なく、老人(おいびと)たちがウトウト眠たそうにしています。「源氏がやってきたのに、これです。皆さまご自身、お気をつけください。最近、夜7時ごろから何だか眠くなって、なんてことはまさか、ございませんね。それでは物語に出てきたおいびと(老人)ですから。せめて9時ぐらいまでは起きて頑張ってくださいね」というと、会員たちに失笑が広がります。
 忘れられた姫君、末摘花は教養ある貴族の振る舞いができません。源氏との出会いもチグハグなやりとりが続き、ただボーっとしている姿はコミカルなほど。一夜を過ごした後、源氏から届いた文の返事をする作法すら知りません。それでも若い女房にせっつかれて書き出しますが、和紙は古び、文字は太くて強い。時代遅れそのものです。
 さて、ここから古典の世界へ。講師は書の歴史を差し込みました。「この当時、書といえば、何と言っても行成(こうぜい)。世尊寺流の宗家にもなった藤原行成が権威です。美しい書風は、現代へつながる大きな流れでもあります」と解説なさいました。公卿であった行成は能書家として三蹟の一人に数えられ、その子孫たちの書も崇められたほど。末摘花の筆さばきがゴツゴツとしていたことを引き合いにして、そこから書の歴史をまとめてお話になりました。

 次回は第12章「雪の夜に訪れ、女房たちの貧しい姿をみる」から。和歌は7番から14番まで。

<日野稲門会>北川(賢治&)勝子、鈴木武彦、鷹尾清文、高橋英子、玉木雅治&ちづ子 一般会員をあわせて22人。

 今後の日程は以下の通り        
 4月25日 (木)10時30分〜
 5月=未定


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